今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


え、なに? その反応は。

飲んでいた珈琲を吹き出した藤原は、赤らめた顔をこちらに向けて口をパクパクする。さては気になる子がいるんだなぁ。

ナプキンを取って渡してあげる。


「好きな子のことって、どれくらい把握してる?」

「な、なんだよ。その質問」

「藤原はサッカー好きだよね」

「好きだけど……」

「映画はアクション系で、音楽は邦ロック全般。特にワンオクのファンだっけ」


あーぁ。

どうして藤原のことならこんなに知ってるのに、水瀬さんの好みは分からないんだろう。カフェが好きで犬が好きってことくらいしか知らない。

……ドックカフェにでも誘う?

いやいや、絶対断られそう。


「ね、藤原はさ、デートってどうやって誘うの?」

「デ、デート!?」

「クリスマスは今更誘いづらいしさぁ」

「いや、お前さえよければ俺は、」

「取りあえず、もう少しリサーチしなきゃ」


ね? と藤原の方に視線を向けると、なぜだか固まっている。

さっきからどうも変だなぁ、風邪でも引いたのかな。熱でもあるのかと思いオデコに手を伸ばそうとしたら、思いっきり払われてしまった。

情緒不安定なのかな。

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