マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


「もう!蓑島くんってば…」


私の席まで手を引かれ、「どうぞどうぞ」と座らされる。

別にエスコートされなくても座りますけど。



「だって、俺だって聞きたい話あったし?ほらー昨日会えなかったから聞けてない」

「聞きたい話?」

「一昨日、まこっちゃんたちに会ってきたんでしょ?」

「あ…」



そうだ。そういえば。

一昨日、日曜日の夕方。

真琴やいつき、瑠華たちクラブチームのみんなと改めて会ってきたんだ。






…実は、蓑島くんとのデートから帰ってきたその日の夜に。

真琴に電話した。



電話をかける直前まで、何から話そうか、何を言おうか、あーだこーだうじうじ考えてしまっていたけど。

最終的には「えぇい!やけくそだ!」と、勢いで電話をかける。



泣いてしまうかもしれない。

でも、ちゃんと話そう。

自分の素直な気持ちを。




『…星月?!』

『あ、うん…電話してごめん…』

『そ、そんなことない!待ってた!』

『ほ、ほんと?わ、私…』



そして、息を整えて、落ち着かせて。

私は、今までのことを包み隠さず素直に話した。


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