マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
そんなのは…嫌だ!
走って走って辿り着いた正面玄関口、靴箱からローファーを出して爪先を突っ込む。
ザザッといびつに歩きながら、踵をしまう。
…私だって、何かしてあげたい。
でも、だからと言って私が行ったって何があるワケじゃない。
試合を見たところで、何が出来るかって…何もならないだろうとは思う。
それだけ、私は無力だ。
何の武器も持ってやしない。
蓑島くんのように、人に惜しみ無く優しい言葉を与えたり、勇気づけるような力なんて持ち合わせていない。
でも、私は。
頑張っている蓑島くんを応援したい。
ただの自己満足な、そんな気持ちだけは、あって。
私は、正面玄関口を抜けて学校を飛び出した。
蓑島くんのところへ行くんだ。
『頑張って』って、言うんだ。
そして、応援するんだ。
その一心で、ただひたすら走って。
校門を抜けて、地下鉄行きのバス停まで走る。
走って。走って…もう、私の頭の中は、蓑島くんを応援することしか考えてなかった。
後先は考えない。
何もしなかった…と、後悔するだけの何もしないヤツには…なりたくない!