王子様とブーランジェール
自分のやらかした有り様をおろおろとしながら、挙動不審に動いている。
床に落ちたプリントを、一枚ずつ慌ててかき集めていた。
まったく…見た目は変わっても、やらかすことは変わらないのか!
まんまと狭山の言うとおりになりやがって!
しかし、今回はいつもと違うことが起きている。
「あ、大丈夫大丈夫!俺も拾うから!」
俺ではない、理人でもない誰かが。
桃李のぶちまけたプリントを拾うのを手伝っていた。
「か、梶くん、ごめんなさい…」
「いやいや、俺も日直なのに、一人でやらせてごめんね?」
咲哉だ。
桃李と一緒に日直だったのか。
二人で一緒にせっせとプリントを拾い上げていた。
「私のせいで、ごめんなさい…」
「な、何もこんぐらい!たいしたことじゃないよ!誰でもやらかすことだって!」
俺の気にしすぎかも、しれないが。
咲哉おまえ、妙に優しくないか?
やたらと顔がニヤけてるような気がする。
やたらと桃李の顔を見ているような気もする。
そして、たまに胸の方をチラチラと見ているような気もするが…。
な、何見てんだよ!殺すぞ!
おっと。いやいや。
ダチ相手にそんな神経質になってはいけない。
桃李のあの胸についつい目がいってしまうのは、悲しい男の性かもしれない。
ダチ相手にそんな神経質なことを考えてるなんて、俺も終わってる。
だが…。
「ち、ちょっと!ヤバいヤバい。ヤバいよ。神田のおっぱい、歩くと揺れてた。ヤバいヤバい。顔も目が大きくて何かうるうるしてるし、可愛い。ヤバい」
プリントを集めて、教卓に置くとすぐに、俺や陣太のところにやってくる。
こっちに来るなり、小声でなぜか早口で報告してくる。
おまえ…!
「そりゃ、あれだけデカけりゃ揺れるわな。佐々木の胸だっていつも揺れてんじゃん」
うはうはと浮かれている咲哉とは違って、そのコメントに対しては冷静に返している陣太。
向こうにいるちょっとふくよかなクラスの女子、佐々木さんを指差している。
「ばかっ!佐々木さんはデブってやつだろうが!デブの揺れてるおっぱいと、美少女の揺れてるおっぱいは存在そのものが違いますがな!」
「咲哉、デブってはっきり言うなんて、失礼だなー」
「あぁ…ヤバいよヤバい。顔も可愛い可愛い。アイドル系のロリった感じがたまらん…唇もふっくらしてエロい…」
エロ…殺すぞ!