王子様とブーランジェール




自分のやらかした有り様をおろおろとしながら、挙動不審に動いている。

床に落ちたプリントを、一枚ずつ慌ててかき集めていた。

まったく…見た目は変わっても、やらかすことは変わらないのか!

まんまと狭山の言うとおりになりやがって!



しかし、今回はいつもと違うことが起きている。



「あ、大丈夫大丈夫!俺も拾うから!」



俺ではない、理人でもない誰かが。

桃李のぶちまけたプリントを拾うのを手伝っていた。



「か、梶くん、ごめんなさい…」

「いやいや、俺も日直なのに、一人でやらせてごめんね?」



咲哉だ。

桃李と一緒に日直だったのか。

二人で一緒にせっせとプリントを拾い上げていた。

「私のせいで、ごめんなさい…」

「な、何もこんぐらい!たいしたことじゃないよ!誰でもやらかすことだって!」

俺の気にしすぎかも、しれないが。

咲哉おまえ、妙に優しくないか?

やたらと顔がニヤけてるような気がする。

やたらと桃李の顔を見ているような気もする。

そして、たまに胸の方をチラチラと見ているような気もするが…。

な、何見てんだよ!殺すぞ!



おっと。いやいや。

ダチ相手にそんな神経質になってはいけない。

桃李のあの胸についつい目がいってしまうのは、悲しい男の性かもしれない。

ダチ相手にそんな神経質なことを考えてるなんて、俺も終わってる。



だが…。




「ち、ちょっと!ヤバいヤバい。ヤバいよ。神田のおっぱい、歩くと揺れてた。ヤバいヤバい。顔も目が大きくて何かうるうるしてるし、可愛い。ヤバい」




プリントを集めて、教卓に置くとすぐに、俺や陣太のところにやってくる。

こっちに来るなり、小声でなぜか早口で報告してくる。



おまえ…!



「そりゃ、あれだけデカけりゃ揺れるわな。佐々木の胸だっていつも揺れてんじゃん」

うはうはと浮かれている咲哉とは違って、そのコメントに対しては冷静に返している陣太。

向こうにいるちょっとふくよかなクラスの女子、佐々木さんを指差している。

「ばかっ!佐々木さんはデブってやつだろうが!デブの揺れてるおっぱいと、美少女の揺れてるおっぱいは存在そのものが違いますがな!」

「咲哉、デブってはっきり言うなんて、失礼だなー」

「あぁ…ヤバいよヤバい。顔も可愛い可愛い。アイドル系のロリった感じがたまらん…唇もふっくらしてエロい…」



エロ…殺すぞ!


< 198 / 948 >

この作品をシェア

pagetop