王子様とブーランジェール




こうして、何ターンもゲームを繰り返し、昼休みは過ぎていった…。

一番文句を言ってたヤツが、一番ハマったようだ。




「…チキショー!今度は夏輝か!俺のさるぼぼ持ってったのはぁっ!」

「だから。何でさるぼぼにこだわってんだ?」

「…可愛いから!…もう一回!」

すると、予鈴が鳴ってしまった。

授業開始5分前。

「あーあ。咲哉。チャイム鳴ったぞ?今日はもうお開きだ」

「…明日も開催だ!こんチキショー!」





そういうワケで、翌日も昼休み。

秘密の小部屋杯・カード争奪すごろく大会は開催。



「鳴門渦潮どら衛門ゲットぉー!」

翔が一枚カードをゲットし、新たなカードが一枚めくられた。

すると、そのカードに咲哉が声をあげる。



「…さるぼぼぉー!」



来た。来たぞ。

咲哉の愛しいさるぼぼどら衛門だ。



「…取るなよ?取るなよ?さるぼぼ。俺のさるぼぼ」



しかし。俺達は、アイコンタクトを取る。



さるぼぼを咲哉に渡すな。



さるぼぼのマスから比較的近いのは…陣太だ。

ちょうど順番が来て、陣太はルーレットを回す。

出た数字は3だ。



まさか…!



「…1、2、3!…はい、さるぼぼどら衛門ゲットぉー!」



なんというタイミング!

神が降りてきたかのような…!



陣太、ちょうど賽の目がピッタリ出てしまい、速攻で咲哉のさるぼぼをゲットしてしまった。



「…んあぁっ!…陣太てめえこんちくしょー!」



愛しいさるぼぼどら衛門が他人の手に渡り、咲哉はお怒りになった。

そんな咲哉の様子に、翔と幸成は大爆笑。

俺も吹き出してしまった。



「咲哉おまえなー?取るなよ取るなよって、取ってくれっつー振りだろ?」



そう言って、陣太は笑いを堪えている。

堪えるな。大いに笑うところだぞそこは。



「ち、違う!俺は振ってないぞぉー!」

「えー?そうですかー?…って、咲哉おまえ、西郷どんどら衛門持ってるべや。それで納得しろよ。っつーか、いつも西郷どんゲットしてね?」

「し、知らねえし!あ、でも、いつもゲットしちゃう…」

「もうさるぼぼは諦めて西郷どんで行けや。西郷どん。ネコ型ロボットのはずだけど、なぜかそれだけゴリラ型ロボットになってるしな」

ぶっ…ホントだ。

ネコ型ロボットのはずなのに、この西郷どんどら衛門だけ、なぜかゴリラみてえな顔になってる。

なぜ?ウケ狙い?

…いや、やめろ。

歴史上の人物を高瀬のように扱うのは。



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