先生。


そんな私の浅笑った声は、また雨に消えて行く。



誰を信じていいのか、誰が私の味方なのかわからなくなっていく。


だけど、それは綺麗事で…



気づけば、あいつに電話をかけていた。





『もしもし』





ぶっきらぼうに出た電話。


いつもと変わらないめんどくさそうな声。





「…会いたい」





声を聞くと、我慢していた何かがドッと溢れ出た。





『潤?』





電話越しに焦る司の声だけで、優しさが伝わる。



司は、私の味方でいてくれる?


ずっと、信じても大丈夫?





「つっ…か、さ…」


『落ち着け。今どこ?』





向こうでガタガタと音が聞こえる。



…ああ、来てくれる。


司は、私を裏切ったりしないもん。



わかるよ。


だって、私たち…似てるもんね。

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