先生。


司との電話を切った後、気付けばこの間行ったショッピングモールに歩いていた。



先生とあの女の元には近づきたくない。


あんなやつなら、まだ全く知らない最低な女の方がマシだったのに。



どうして…あいつなんだろう…





「潤!」





数分後、いきなり呼び出したにも関わらず、嫌な顔ひとつせず私に会いに来てくれた司。


こんな大雨なのに、傘も持たずに来たの…





「司…」





彼を見ると、安心感と涙腺が切れた。


走ってきてくれた、びしょびしょの司に思わず抱きつく。





「…辛かったな」





私の頭をポンと撫でて、優しくそう言う司。


いつもは「だから言っただろ」って怒るのに。

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