先生。


『どうして?』





先生の電話越しの声が優しくて、それだけで涙が出そうになる。





「あ、えっと…寝れなくて…」


『雷なんか鳴ってないのにね』





私をバカにしたように笑う先生。



そういえば…先生と出会ったばかりの頃、雷が鳴って寝れないことがあった。



そんな時のことが…今では遠くて、遠くて…


…先生はこんなにも近いのに。





『あ、ごめん』


「…ううん」


『修学旅行、楽しかった?』


「うん。楽しかったよ…」





楽しかった。



それは事実だけど、先生とも回りたかった。


先生の隣を歩きたかった。



そんな思いが、後悔が襲う。





『立花とか川崎とか、仲良いもんね』





だけど、先生の声色は変わらなかった。

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