星の向こうできみを待っている。
3章

文化祭


最近、颯斗が病室に来る時間が遅くなった。いや、正確に言うと時間は変わらない。ただ、あたしが勝手にそう感じているだけ。


夏の間は日が落ちる前に来ていたのに、秋になり日が暮れる時間が早くなるとどうしてもそう感じてしまう。



「…暇」


何もすることがない。

本でも読もうかと思い、開いてみたけれど、全然集中できない。


ベッドの上でごろごろ。

天井のトラバーチン模様を眺める。

けど、すぐ飽きた。

つまんないもん。


筋トレでもしてみようかと思い腹筋を始めた。


「いっち…にー…さ「希愛~」」


ドアが開く音とあたしを呼ぶ声はほぼ同時だった。


「遅い!あたしがどれだけ待った…と………」


視線の先に立つ颯斗の姿に、思わず言葉を失った。

制服には、赤黒いシミがたくさん。
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