星の向こうできみを待っている。


公園に向かうと、時計台に寄り掛かっている颯斗を見つけた。

スマホに夢中で、あたしには気づいてない。

その姿さえもかっこよく思えたせいで、ほんの少しの出来心。

鞄からスマホを取り出すと、カメラアプリを開いた。

こっそり隠し撮り。



───カシャ…



…やばい。

シャッター音消すの忘れた。

あたしに気づいた颯斗は、鋭い目であたしを睨む。

そして、そのままあたしの方に近づいてきた。



「盗撮?」


「うん。今の颯斗、すごくかっこよかったから記念に」


否定はしなかった。

もうばれちゃってるし、意味ないもん。
< 170 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop