恋する剣士
見事に重なる言葉


「わかってるなら、言わせないで」




表情のなさ、合わない視線
ぶっきらぼうな物言い

変わっていないことと

よく喋ってくれるようになったこと


2つの喜びで永倉は、顔が緩む


「じゃあ、会いに来いよ!俺は、ここにいる!」



明と目が合う



しばらく見つめ合った



明は、何も言わず視線を落とし
廊下に出た





「山崎 追ってくれ」




土方が指示を出す


「山崎君に気づいているのに、追わせてどうするんだい?」

山南が、不思議がる


「さぁ? なんとなくだ」


明のような言い方に、近藤が微笑む

「歳らしくないな
彼が気に入ったなら、そう言えばいいのに」




近藤の言葉に、明が女だと言い忘れた事を思い出すが
わざわざ恋仇を増やしたくなかったのだろう


永倉が、「面倒くせぇ」小さく呟いた









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