恋する剣士
昴が家茂様に頭を下げた

「この婚礼を白紙にして下さい」


家茂様は、顔の腫れを心配してくれる
とても優しい方


「無理は、言いませんよ」



結婚が白紙になった



昴は、結婚が嫌で逃げたと思ったのだろう

「反省しろ!!」


牢に入れられた


「クスッ」


なんだかんだ言って、わたくしを甘やかす
昴も優しい


自分でも驚いた
自然に笑ったのだから



そして、気がついた




結婚が嫌だったんじゃない


人として、ちゃんとした感情がないこと
空っぽの器のままであることが嫌だったんだ

新八君や新八君の廻りのように
喜怒哀楽を持ちたいと思ったんだ



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