あげます、ココロ以外。
「ん?・・・途中棄権以外な。」

私に一つの決意が芽生えていた。

「面倒臭いことは、あらかじめ避けさせてください。」

「うん。」

「もしも、私に危険が及んだら責任とってください。・・・以上です。」

必要最低限の条件を突きつけて、先輩の答えを待った。

「・・・交渉成立でいいな?」

そう言うと、ふっと口角を上げて手を差し出された。
その手をしぶしぶながらも握ると、力強く握り返された。

「はい。」


大きい手が私の手を包んでいた。

これが、私たちの今までで最大の選択になるとは思いもしなかった。
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