嫌いの反対




それから波留多の「ごめん」で体を離し、再びみんなのところへ戻った私たちは、今までのことをすべて話すと後は任せろと言われた。





「じゃあ帰るね」

「俺も帰るか」

「いやいいよ、波留多、話し合いあるでしょ。それにあたし今日荷物取りにうち寄らなきゃいけないし」

「そうか」


悪いな、と続けた波留多はまた幹部室へ戻る。

何とも言えない寂しさが心を渦で埋めた。


「帰ろ」


感情を振り切るように背を向けて歩き出した。







< 170 / 252 >

この作品をシェア

pagetop