向日葵だけが知っている
「行ってきまーす」
「…。」

返事はない。まあ、家には誰もいないから当たり前だけど。
お母さんとお父さんは夜遅くまで働いているし、ひまりは何か…劇団春花?みたいなところで毎日練習らしい。
私は、文化祭でのふたりのロッテを思い出した。

ひまりの演技…すごい感動して泣いちゃった。
私は知っている。ひまりがずっと、私の妹だから悩んでいたことを。…ずっと、悪いなって思ってた。
私ができない子だったらよかったんだよね。

それでもひまりは自分で、殻を破った。やりたいことを見つけた。
自慢の妹だよ。

話を戻すと、今私は、夕方のランニングに行くところだ。
< 186 / 252 >

この作品をシェア

pagetop