向日葵だけが知っている
先輩は黙ってうなずいた。
「わかった。」
そして教室に向かいながら振り向いて、私に言った。

「辻井さん。辻井さんはちゃんと変われているよ。」

その言葉は私の傷ついた心に、温かさをもたらした。

「ありがとうございます。…先輩。」

きっと先輩はわかっているだろう。これが先輩への告白だと…。別に私は期待なんかしていない。付き合えるなんて思ってもない。

でも…言ってみたい。先輩はどんな顔するかな。


教室への足取りはとても、軽かった。…

< 68 / 252 >

この作品をシェア

pagetop