次期社長と訳あり偽装恋愛
「立花さんがよければ……」
「いいに決まっているだろ。河野さんの手料理を食べれるんだから」
嬉しそうに言うと、そそくさとかごの中に入れていたお弁当などを返却していく。
その間に私は炭酸ジュースを選び、手に取りレジに向かおうとした。
「それ、買うんだろ?貸して」
私の手からジュースを取り、立花さんが持っていたかごの中へ入れた。
「あの、ジュース……」
「ついでだから一緒に支払いするよ」
「でも悪いです」
「いいから気にしないで」
笑顔で言われ、その言葉に甘えることにした。
支払いを済ませると立花さんと並んでマンションへと向かった。
***
「散らかってますけど」
立花さんをリビングに案内した。
1LDKで、そんなに広くはない。
立花さんが住んでいる上の階の部屋はここより広くて、確か2LDKだった気がする。
このマンションは階によって間取りが違う。
「へぇ、綺麗にしてるんだな。全然散らかってないじゃん」
立花さんは感心したように言う。
「恥ずかしいのであまり見ないで下さい。すぐ準備するのでソファに座っててください」
「ありがと。その前に手を洗わせてもらってもいい?」
「はい、どうぞ」
立花さんは洗面所に入っていく。
私は鍋を温めて、みそ汁をお椀によそう。
温まった肉じゃがをお皿に入れて盛り付けた。