次期社長と訳あり偽装恋愛

「お口に合うといいんですけど」

テーブルの上にはさっき私が食べたものと同じメニュー。
タコ飯、肉じゃが、ほうれん草のおひたしにみそ汁。
さすがにほうれん草はなかったので急いで茹でて、かつお節をかけた。

立花さんは「いただきます」と両手を合わせて食べ始めた。
ドキドキしながら立花さんを見つめていると、ピタリと動きが止まる。

「そんなに見つめられると食べにくいんだけど」

「あっ、すみません」

慌てて謝罪し、視線を逸らす。

人に手料理を食べてもらうのは、身内以外で初めてだから気になってしまうのは仕方ないと思う。

「河野さん、料理上手なんだな。どれもすごく美味しいよ」

その言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろす。
立花さんはよっぽどお腹が空いていたのか、本当に美味しそうに食べてくれた。
ご飯なんてお代わりまでして全部平げた。

「ごちそうさま」

立花さんは端を置いて手を合わせる。

「お粗末様でした」

食べ終わった食器をシンクに運び、スポンジを手に洗おうとしたら立花さんが側に来た。

「ご馳走してもらったお礼に俺が洗うよ」

そう言って私の手からスポンジを取ろうとする。
やめてー!
御曹司さまがとんでもないことを仰ってるんですけど!
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