God bless you!~第12話「あたしの力、あなたの涙」
「1年3組、おまえら、すごいな!」
そして後日。
朝礼において、全校生徒がいる中で、それは行われた。
「それでは1年3組の集計結果をここで発表します」
(恐らく)次期会長、浅枝アユミの美声が、秋空の元、麗しく響き渡る。
「1年3組の合計金額、23万2500円。初めて見た……これは双浜高校創立以来、文化祭では最高の売り上げ金額です!」
「おお!」と周囲から歓声と拍手が沸き起こる。
合計金額というグレーな扱いに、3組で不満を露わにする輩は何人か居た。だが、最高金額と煽てられて気をよくしたのか、ほとんどがこれを喜ばしい結果として受け入れている。
桐谷と波多野だけが、周りに聞こえるように舌打ち。
いつまでも納得いかない様子だ。
「合計したんじゃ意味無いっすよ」
「そうですよ。こいつらと混ぜられても、キモいだけで」
しかし、23万。
本当にすごい。欲しい。
端数の2500円とは……それはズバリ俺の払った金額だった。
全校生徒の前で、こいつもホイホイ行った!と指を差されたような気になる。口止め料の意味が見えない。
「右川会長から表彰です」と浅枝が言うと、右川が壇上に上がった。
「やーやーやー♪」と、まるで今上天皇の如く手を振る。というか、空をちょんちょんと突いて、適当に挨拶した。
「小さすぎて見えないッ!」と永田の煽りに失笑が起こる。
代表として、原田先生が表彰状を受け取った。
そして壇上に立ち、マイクを握ると、
「1年3組、おまえら、すごいな!」
3組から、大歓声が上がった。俺は胸を撫で下ろす。バカげた争いも、これで一段落するだろう。
「桐谷。波田野」
原田先生はマイクを握ったまま、2人を名指し。
「もう何処でもどんどんケンカしろ。先生が許す。ウチには良いお手本が居るから見習え。白状しろよ。ひょっとして、おまえらもう付き合ってんじゃないか」
それを聞いて、周りがドッと笑った。
俺と右川を当てこすって……永田を筆頭に、俺は仲間に頭を叩かれ、あさっての方向からはキックを喰らい、そこをスマホに写そうとする輩も現れて。あちこちからヤラれ放題で。
全校生徒の前で名指しされた恥ずかしさもあってか、桐谷と波田野の2人は下を向いて俯いたまま。
何の罪も無いのに引き合いに出された、俺こそいい迷惑。
右川はと見れば、
「やーやーやー、バチボコ迷惑なんですけど」
こっちの台詞だ。誰のせいだと思ってんだ。
ここでケンカになったらマジ洒落にならないので、黙ってやるけど。
ケンカは損だ。
桐谷、波多野も身に沁みた……だろう。
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