御曹司様の求愛から逃れられません!
料理が届くと玲奈さんは文句ひとつ言わずに食べ始めた。強気な表情を崩さないので分かりにくいが、多分、気に入ったんじゃないかと思う。
「それで、真夏さん。やるじゃない。あの絢人をあそこまで動揺させるなんて」
ぐ、と熱いグラタンが喉で跳ねた。むせ返る前に何とか飲み込み、いきなり話を始めた玲奈さんを見た。
「す、すみません……」
「あら誉めてるのよ!私がいても絢人に言い寄ってくる女はたくさんいたけど、彼はいつも上手くかわしていたから。彼にあんな顔させる子がいるなんて驚いたのよ」
誉められても複雑な気持ちになる。またグラタンの味がしなくなってきた。
玲奈さんはどれくらい絢人さんの婚約者としてそばにいたのだろう。絢人さんの性格をよく分かってるみたいだし、そもそも、彼と仲良くできる人はたくさんいても、喧嘩できる人はそんなにいないのだ。
……どんな形でも、特別な関係、には違いないよね。
一緒に食事をしているのに彼女を敵視するのはいかがなものかと思うけど、ふたりの過去を探りたくて仕方なかった。
「絢人って、すごいのよ」
突然、玲奈さんはそう言った。
私はスプーンを止めて、顔を上げて彼女を見た。
「本当よ。すごいと思うわ。あの人、突拍子もないことも力ずくで実現させるの」
玲奈さんが絢人さんのことを誉めた。さっきまでけなしていたのに。
それだけのことで胸の中にあった不安が急に溢れだし、スプーンを持つ手がカタカタと震えだす。
「それで、真夏さん。やるじゃない。あの絢人をあそこまで動揺させるなんて」
ぐ、と熱いグラタンが喉で跳ねた。むせ返る前に何とか飲み込み、いきなり話を始めた玲奈さんを見た。
「す、すみません……」
「あら誉めてるのよ!私がいても絢人に言い寄ってくる女はたくさんいたけど、彼はいつも上手くかわしていたから。彼にあんな顔させる子がいるなんて驚いたのよ」
誉められても複雑な気持ちになる。またグラタンの味がしなくなってきた。
玲奈さんはどれくらい絢人さんの婚約者としてそばにいたのだろう。絢人さんの性格をよく分かってるみたいだし、そもそも、彼と仲良くできる人はたくさんいても、喧嘩できる人はそんなにいないのだ。
……どんな形でも、特別な関係、には違いないよね。
一緒に食事をしているのに彼女を敵視するのはいかがなものかと思うけど、ふたりの過去を探りたくて仕方なかった。
「絢人って、すごいのよ」
突然、玲奈さんはそう言った。
私はスプーンを止めて、顔を上げて彼女を見た。
「本当よ。すごいと思うわ。あの人、突拍子もないことも力ずくで実現させるの」
玲奈さんが絢人さんのことを誉めた。さっきまでけなしていたのに。
それだけのことで胸の中にあった不安が急に溢れだし、スプーンを持つ手がカタカタと震えだす。