天使と悪魔の駆け引き
私は空を見上げた。
まさか、まさかあの拓也が悪魔だったなんて…。
「俺は、最初から知ってたよ。」
後ろから声が聞こえた。
また、あんた?
という表情で振り向く。
「拓也、あいつ嫌いなんだよね。なんかムカつく。殺し方も気にくわない。」
殺し方なんて関係ないよ。
「殺し方なんて関係ない!だいたい殺すなんて事があり得ない!犯罪者っ!」
顔を真っ赤にして怒鳴り声をあげた。
やっぱり、悪魔なんていない方がいいんだっ!
「なんで、天使は犯罪者にならないんだろうね?悪魔を殺すのに。」
「それはっ!!」
それは……………
それは
「罪を犯したからよ。」
「まだ、一人も殺してない悪魔がいたとしても、天使は悪魔を殺そうとするだろ?矛盾してるね。こう、いいたいの?悪魔に生まれてきた事が犯罪ですって。」
違うよ。
私に言わないで。
私は、
私は…
「なりたくて、天使になったんじゃないっ!殺したくて悪魔を殺してるんじゃない!」