天使と悪魔の駆け引き
…しょうがないでしょ?
天使って言われたんだから。
天使の役目は悪魔を退治する事なんだから――…
「そもそも、人間も悪い。悪魔を呼び出して用件いって、満足してバイバイだろ?俺ら悪魔は道具じゃない。それを分からせるため、殺すんだ。」
「そんなのっ!本に書いてあるのが悪いのよ。天使の呼び出し方の本なんて見たことないし。悪魔が人呼ばせてるだけじゃない。」
私は抗議する。
だが、やっぱり龍玖は私より先に悪魔の仕事をこなしてきたから、私の言葉に負けることはない。
「んでさ、美紅。お前は何が言いたいの?」
怖い顔つきに、低い声で聞かれ別人のように見えた。
「…………。」
「悪魔は人を殺すのをやめろって言いたいの?それとも、美紅が辛いから天使をやめたいって言いたいの?」
私は天使の仕事から逃げようなんて思わない。
ただ、私は………
「退治するのが怖いし、悪魔も許せない。」
恐怖心なんて消えやしない。
頭の中が渦巻いている。
罪意識が高まる一方。
悪魔への怒りの気持ち。
何もかもが混ざりあい
ごちゃごちゃになる。
「ただ単に、傍観者になりたいって事?自分じゃ悪魔を殺せないし、でも悪魔を許せないから心の中で天使を応援して見てる。そうだろ?」
何も言えなかった。
だって本当の事だから。