後輩営業は虎視眈々と先輩アシスタントを狙っている
田村君が新入社員の時に、営業の書類の書き方や雑務の説明を担当した経緯と、彼が現在在籍する営業グループのアシスタントをしている事もあって、私達は仲良しの先輩後輩。

久しぶりの気を使わなくていい飲みデート(?)は最高に楽しい。

まあ、彼氏の時はかわいい女の子に見られたいから、多少アルコールの量を抑えたり、会話もお下品にならないようにそれなりに気を使うから無理もするわけ。

だから、楽(?)な駆け引きなしの会話ができる後輩の田村君の存在は、30前の女子にはありがたい癒し。

嫌われてもいいわけではないが、もてる必要はないから。


「もう少し飲みたいよね?私のおごりでもう一軒いこうよ。」


まだ帰りたくないなあ。

この心地よい雰囲気をもう少し味わいたい。


「・・・じゃあ、うちで飲みません?」


その言葉に驚いた。

それって、いわゆる「お持ち帰り」?

・・・なわけないか。

しかも社内に彼氏有りを知っている、そんな条件の悪い先輩を誘うわけないかな。




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