優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。


その日も図書室で勉強前に美術室で絵を描いていた。


今日はROMも持ってきたのでデータとして優大くんに渡せる予定だった。

最初は真っすぐな線もかけなかったし、上手くパソコンの画面と手元の絵が結びつかなくて苦労した。今はなんとか、線だけは引けるようになった感じだ。

「蕾、一緒に帰ろうよ」
17時過ぎに紗矢が美術室の窓を叩いた。

 紗矢も優大くんもなぜ廊下から入ってこないで窓から話しかけてくるのだろう。

「19時まで図書室で勉強するから、その」

「優大とでしょ。とっくに噂になってるよ。そのこともあるし、いいよね?」


 汗をぬぐいながら紗矢が言うので、頷く。
 紗矢なら優大くんも嫌がったりしないと思う。

「そのことって、私、何か言われてるの?」
 ブスが生意気とかブスがふさわしくないとか?
「あはは。あんたのこと、何か言ったら優大がまだ暴れるでしょ。言うはずないよ」
「でも――」

「優大が、転校に必要な書類を全部処分しちゃったらしいよ。で、おじさんが学校に貰いに来るんだって。あいつは絶対に家に持って帰らないでしょ」

「……なるほど」

 優大くんのおじさんか。優大くんと違って無表情でちょっと怖いイメージだったけど、今日、学校に来るんだ。
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