【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

「高梨さん、お待たせ。はい、そこの椅子に腰掛けてね」

白衣を着た病院バージョンの真澄さんに、しばし思考が停止する。

うぅ……カッコいいじゃない。

彼の白衣姿を見たのは初めてじゃない。でも本格的に治療をする正装?を見るのは初めてで、マスクで半分が隠された顔に見つめられると、その顔から彼の考えていることが読み取れなくて更にドキドキを増長させた。

「さっさと座れ」

途端、マンションバージョンの真澄さんに低い声で囁かれ体が小さく跳ね、慌てて椅子に座った。

「急に痛みだしたんですか?」

また病院バージョンに戻るんだ。

「は、はい」
「ちょっと見せてくださいね」

ユニットの椅子がゆっくりと倒れていき寝転んだような姿勢になると、真澄さんとの距離が縮まる。真上から見下ろされ、生唾をゴクリと呑み込んだ。

「緊張してるの?」

潤んでいるような艶のある目で見つめられるのに耐えられなくなって、自分から目を逸らした。

「な、なんで、真澄さんで緊張しないといけないんですか?」

でもほんの少しの対抗心が働いて、憎まれ口をたたいて強がってみせた。でも真澄さんは、

「はいはい。ま、そういうことにしとくか。じゃあ高梨さん、大きく口を開けてくださいね」

と相手にもせず、コロコロと人格と表情を変え、治療を始めようとした。



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