【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
完全に遊ばれてる──
そう思ったが、ここは彼の独壇場。真澄さんの目の前で寝そべって、まな板の上の鯉状態のわたしには何も抵抗できない。
「優しくがいい? それとも手っ取り早く荒療治?」
そう言って不敵な笑みを浮かべる真澄さんに、恐怖しかない。優しくか荒療治かなんて、そんなこと考えるまでもないじゃない。
「優しくで」
一言ピシッと言い放つと、真上からククッと押し殺したような笑い声が降ってきた。
「優しくか。とにかく一度見てみる」
真澄さんはわたしの唇の端に指を掛け、クイッと引っ張る。ここで口を大きく開けるのが正解なのだろうが、なかなか開けられずにいた。
口の中を見られるのは、思っていた以上に恥ずかしい。もう何度もキスしているしそんなこと簡単だろうと言われるかもしれないが、キスは口の中まで見られることはない。
ふとお昼に、青のりいっぱいの焼きそばを食べたことを思いだす。
こんなことなら午後の仕事が始まる前に、歯磨きしとくんだった……。
いまさらしても遅い後悔を、頭の中で何度も繰り返す。
「早く口開けないとキスするけど、いいのか?」
こんなところで何を言ってるんだと、大きく目を見開く。