終わりは始まりか ~私達の場合~
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それから毎週、決まったように金曜日の夜遅くにやって来て、日曜日の夜に帰っていく麻生くん。

私達は時間が限られているために、黙々と仕事をこなす。

あの夜以来、あの話の続きは封印されている。

どちらともなく。

伊吹も土曜日の夜にやって来て、一緒に夕食を取る事が習慣になりかけていた。

そう、そんな生活が始まって半年ほど。

陽輝も2歳の誕生日を迎えた。

陽輝の誕生日に一番近い土曜日に、家でお祝いする時間を何とか取った。

伊吹と麻生くんから大好きな乗り物のおもちゃをもらった陽輝は終始ご機嫌だった。

家で陽輝の好きな食べ物ばかりでのお祝いは、もしかすると伊吹と麻生くんのお腹は十分に満たせなかったかもしれない。

でもみんなが笑顔だった。

「あくびをし始めたと思ったら、あっさり寝ちゃったわ。」

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