終わりは始まりか ~私達の場合~
また二人で声を出して笑う。

「まあ、とにかくあいつと早く連絡が取れると良いな。」

そんな風に言う伊吹こそ、きっと麻生くんと話したいに違いない。

「そうだね。」

そう答えながら、私は自分からは決して連絡を取るつもりはなかった。

麻生くんの世界を守るために、その方が良いと信じているからだ。

頭ではそう冷静に決断を下す。

まだ私の中にも、理性がちゃんと働いているようだ。

麻生くんが居ないと仕事は大変になるけれど、ペースを落として頑張るしかない。

でも私の気持ちは…。

もどかしいものを抱えながら、私は伊吹の現場を離れた。













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