終わりは始まりか ~私達の場合~
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麻生くんが来なくなってから、約1ヶ月。

麻生くんからは1度だけラインが届いていた。

-しばらくそちらには行けませんが大丈夫ですか?-

私がそれに了解と返信をして、それきり音信不通だ。

その事をお父さんと伊吹に話すと、二人はあからさまに残念そうな顔をした。

「ぶー、ぶー。」

最近言葉が出始めた陽輝が、伊吹の顔を見るとこう呼ぶようになった。

私達が呼ぶ「伊吹」と呼ぶその音がそう陽輝には聞こえるんだろう。

その事にデレデレな伊吹。

最近現場に来てもご機嫌な様子で仕事をしている。

まあ、仕事のペースが上がるからこのままにしておこう。

私は打算的な事を密かに考える。

「やっぱり陽輝の父親になるのは俺しかいないな。」

伊吹は更に図々しくそんな事まで言うようになって来た。

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