終わりは始まりか ~私達の場合~
「お前が嫁に行けないのは、家事より仕事の方が熱心だからだ。」
そんな憎たらしい事を平気で言う。
でも何でも言える関係は心地いい。
前の会社でピリピリしていた私はここでは違う。
仕事も含め、毎日が充実していた。
今のところ、あの現場で繋がっている麻生くんは毎週金曜日に電話をくれる。
私から連絡を取った事はない。
もうあの現場の相談に割く時間は少なくなってきていた。
「でもお父さんもなかなか鋭い事をついてきますね。」
麻生くんは私の愚痴を楽しそうに聞く。
「家族って良いですね。」
「そうかしら?」
「声だけですけど、こっちに居るより美月さんはずっと楽しそうですよ。」
「楽しいっていうより、忙しくて余計な事に構っていられないって感じ。それに…。」
そんな憎たらしい事を平気で言う。
でも何でも言える関係は心地いい。
前の会社でピリピリしていた私はここでは違う。
仕事も含め、毎日が充実していた。
今のところ、あの現場で繋がっている麻生くんは毎週金曜日に電話をくれる。
私から連絡を取った事はない。
もうあの現場の相談に割く時間は少なくなってきていた。
「でもお父さんもなかなか鋭い事をついてきますね。」
麻生くんは私の愚痴を楽しそうに聞く。
「家族って良いですね。」
「そうかしら?」
「声だけですけど、こっちに居るより美月さんはずっと楽しそうですよ。」
「楽しいっていうより、忙しくて余計な事に構っていられないって感じ。それに…。」