終わりは始まりか ~私達の場合~
伊吹は少し顔を赤くして言った。

私も目の前の伊吹に、意識を戻す。

「もう良いのよ。伊吹は幼馴染で一番信用出来る仕事仲間なんだから。」

私はすべてが吹っ切れたような笑顔を、伊吹に向ける。

「俺は諦めないからな。お前がここに戻って来なくてはならなくなったのは、きっと何か意味があるんだろうと信じているから。」

そこに材料を乗せた運送会社のトラックが到着した。

「どこに置かせてもらいましょうか。」

そう声を掛けられ、渋々伊吹が相手をする。

私はその隙に気になる所のチェックを始める。

最近疲れが取れにくくなって困る。

お父さんがアテにならないから、私がこうして回らなくてはならない現場が増えた。

まだまだこの後に回りたい現場が残っている。

それに今は伊吹から離れた方が良さそうだ。

< 52 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop