終わりは始まりか ~私達の場合~
8
しばらく無言で歩いていた私達。

「俺はタイミングの悪い時に来てしまったようですね。もしかしてお母さん…。」

やっと麻生くんが口を開いた。

「そう、母のお葬式だったの。」

私は視線を落とす。

「こんな大変な時にすいません。」

麻生くんは素直に頭を下げた。

「…良いのよ。」

私は改めて麻生くんを見た。

2年ぶりに会った麻生くんは…。

あごひげをはやして、少し大人の顔をしていた。

仕事に対しても自信が出て来たのだろう。

精悍な顔つきをしている。

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