終わりは始まりか ~私達の場合~
「どうやってここを突き止めたの?」

まずは当たり障りのない言葉を交わす。

「会社で出身大学を調べて、そこから友人関係をたどっていって…。」

少し考えながら、麻生くんは話す。

「そんな事をしたの?」

私は思わず目を丸くして叫んだ。

「とても大変だったんですよ。美月さんってあんまり自分の事を話さない人だったんですね。会社の人は全く美月さんの実家を知らなくて…。」

私のそんな表情を見て、麻生くんは楽しそうににっこりと笑った。

「やっと自然の表情が見られましたね。」

何故だろう…。

気持ちがあの時に戻って行く。

私の欲しい言葉を分かっている麻生くん。

「…会いたくて、会いたくて、仕方がなかったんです。」

麻生くんは立ち止まると、私を正面に見る。

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