ケニーの旅 I
旅の始まり

一ヶ月前、病気で弱っていたお母さんが息を引き取った。父は僕が小さい頃に亡くなっらしい、母はなぜ死んだかは教えてくれなかった。いつかはこの時が来るのはわかっていたが、やはり母の死は痛かった。この二、三年は家で母の看病をしていて、仕事は畑の野菜や川で釣った魚や、弓でとった鹿や兎猪の肉を村に行って売ったり、冬は薪を売ったりしてなんとか生計を立てていた。今は少し心の整理もついて、これからのことを考えていた。今の生活に不満はないが、若いせいか変化を望んでいて、たまに村で見かける旅人に少し憧れていた。ここにいなきゃいけない理由はなく、いつでも旅に出れると思った。今日はそこで寝てしまっていた。朝起きると猫のみーちゃんが僕のお腹で寝ている。「みーちゃんおはよ〜」眠たそうにあくびをしている。ベットから出て、顔を洗い朝ごはんを作った。「みーちゃんごはん食べよー」どこからかニャ〜と返事がして急いで僕のひざに乗ってきた。サンドイッチの端っこをあげた。食べてるとこもかわい〜と思いながら、サンドイッチとぬるいスープを食べた。僕らは猫舌なのだ。僕はなぜかもう旅に出ることを固く決めていた。しかし一応みーちゃんに聞いて見る、抱っこして顔に近づけ言った「僕はみーちゃんと一緒に旅に出ようと思うけど、良い?」ミャーと言った。良いよと言った気がする、そう思いたいだけかもしれないけど…。早速準備を始め何を持つか、すごく悩んだ。ナイフこれは絶対いる、鍋だな出来るだけ軽いやつ、弓と釣竿あと〜、縄もいる寝袋も龍のツノもだ(龍のツノは筒状になっていて先っぽが尖っている、どんな水を入れても先っぽから綺麗な水が出る、つまり濾過できるのだ)なぜか分からないが昔から家にあり小さい頃よく泥水など入れて濾過して遊んでいた。お皿、箸、革の水筒、火打石、小さいランプ、包帯、着替えの服、巻き時計、地図、コンパス、食料、調味料とあと〜〜テントだ!けどこれはない村で買わなきゃないな、作るか少し大変だけど、動物の革はいっぱいあったので材料には困らなかった。なかなかうまく出来たが時間がかかり、後の準備は明日にすることにして出発は明後日にした。夜ベットに入るとみーちゃんが布団の中に入ってきた。めちゃくちゃ嬉しい、「みーちゃんおやすみ〜」返事はないがゴロゴロ言っている(猫は嬉しい時や気持ち時ゴロゴロ喉を鳴らすのだ)母が死んでからよく寝る前に母のことを考えるようになった。母はとても頭が良く知恵深く、僕が疑問に思ったことは全部答えてくれたし、嘘をつくと全て見抜かれた。狩や剣術の腕も素晴らしく、母の過去のことはあまり教えてくれなかったが、それ以外のことは色々教えてくれた。釣りや狩の仕方や剣術、裁縫、取引の仕方、食べれる植物、薬草のこと動物たちのこと自然のルールや、優しさ、精神的なことさえも、生きるすべを死ぬまで僕に教え続けてくれた。





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