チャンスをもう一度
か**卒業の式典

大学の卒業の式典の日を迎えた。

絢菜は、浪人が決まっていた。

陽翔は、マンションに継続して住む。
会社から近いので。

空気の入れ替えは、
望海にお願いしたまま・・
鍵も渡したまま・・だった。

大学で絢菜を紹介してから
一度も望海とあっていないし
連絡もとれてない。

今は、新しい携帯を買った。
電話番号もメールもラインも変えずに。

今日会って話せるだろうか?
怒っていたら
呆れていたら
何度でも謝る
許してもらうまで謝る
そう心に決めてきた。

絢菜は、今日は春美さんといる。

絢菜には、昨夜何度も話した。
春美さんも一彦さんも一緒に
やっと、本当にやっと
“わかった”
と、言った。

一彦さん夫婦には、
何度も謝られたが
俺も・・何をしているんだろうと
思うけど・・

どうしても、絢菜の果物ナイフを
手首にあてる光景が甦り
捨て置くことが出来ずにいた。

一彦さんたちの様子も
目の当たりにしてしまったから・・
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