チャンスをもう一度

陽翔は・・・

「藤本、お前大丈夫なのか?」
「あっ、吉本さん。」
「あっ、じゃないだろ?」
「・・・・・・」
「はぁー、まだ連絡ないんだな?
わかった、今日飲みに行くか?」
「いえ。吉本さんの奥さんに悪いから。」
「心配するな、香葉(かよ)も
お前の事を心配しているんだ。
だから、心配ない。」
「ありがとうございます、本当に。
正直、一人でいると滅入ってしまって。」
「まったく、いつでも言えと
言ってるのに。」

吉本さんには、
いつも気にかけてもらっている。

俺は、買いつまんで吉本さんには
話をしていた。

そんな時・・・

“えっ、透さんからだ”

「電話だろ?でろ。」
「はい、すみません。」
「はい、藤本です。」
「・・・・・っ・・・」
「透さん?」
「ひっ・・かる?・・・」
「・・・・・のぞみ?・・・・のぞみなの?」
「・・・う・・・ん・・・・っ・・」
「元気・・・なの・・?」
「うん。陽翔、ごめんね。」
「それは、何に対しての謝罪?」
「黙ってイタリアにいったから。」
「望海、俺を信じられなかった?
俺は、また望海を傷つけたの?」
「ちっ、ちがうっ、ちがう。
私が勝手に考えて決めたの
お父さんやお母さん、凌にも
叱られちゃった。」
「じゃ、望海は、俺を愛してる?」
「・・・・・うんっ・・・・」
「じゃ、ちゃんと言って。」
「えっ、電話で?」
陽翔は、黙っていると・・・・・

「陽翔・・・・愛してる
・・・・・・あい・・・たい・・・・・っ・・・・」
「俺も愛してる。
愛してるっ・・・・望海・・・
週末にイタリアに行く」
「うん、ありがとう。
    待ってるから。」
と、話して電話を切った。
「良かったな。」
と、吉本さん。
「・・・・・はいっ・・・
吉本さんっ・・・・
本当に・・・・ありがとうございます。」
と、言う陽翔の目には涙が溢れていた。

「しかたない、一週間休暇をやる」
「本当?ありがとうございます。」
と、吉本さんと沢山飲んで
その日は帰宅した。
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