政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
「な、なんで、どうして! 私、昨日は部屋で……!」
置かれている状況を頭の中で処理できずにパニックになる。それと同時に彼に抱きしめられてひとつのベッドにいるという事実に羞恥がこみ上げる。
きっと今の私は全身が真っ赤に染まっている。とりあえず彼から離れようともがくけれど、背中にまわされた彼の腕はびくともしない。
「彩乃、暴れない。危ないから」
私とは打って変わって冷静な彼は、眠そうな声で私を軽く諫める。
「た、環さん、離してください!」
ジタバタと暴れながら、悲鳴のような声をあげてしまう。
その瞬間、私の顎が骨ばった指で上向きに掬われる。額に触れるサラサラの黒髪。伏し目がちの夜色の瞳が真っ直ぐに私を捕らえて、唇が塞がれた。
「うう……っ!」
言いたかった言葉は全て環さんの口腔内に吸い込まれてしまう。驚きに目を限界まで見開いた私の瞳に映る彼の長い睫毛。
心臓の音がうるさくて嫌になる。
どうして私を抱きしめて眠っているの? どうしてこんなことをするの?
荒々しく押さえつけられるようなキスが角度を変える度に優しくなっていく。まるで私を宥めるように、落ち着かせるように長いキスを彼は繰り返す。
思考回路が鈍り、力の抜けてしまった私を受けとめて抱きしめなおした彼はやっと私から唇を離す。
突然のキスの理由さえもわからない。だけどもうそのことを尋ねる気持ちにはなれなかった。
耳に彼の形の良い唇が微かに触れる。
ピクッと肩が跳ねる。
「夫婦なんだから一緒に眠るのは当然だろ? これからも眠るときはここで眠ること」
甘い命令を紡ぐ彼。私は真っ赤に火照る顔を彼のシャツに埋めるしかできない。
置かれている状況を頭の中で処理できずにパニックになる。それと同時に彼に抱きしめられてひとつのベッドにいるという事実に羞恥がこみ上げる。
きっと今の私は全身が真っ赤に染まっている。とりあえず彼から離れようともがくけれど、背中にまわされた彼の腕はびくともしない。
「彩乃、暴れない。危ないから」
私とは打って変わって冷静な彼は、眠そうな声で私を軽く諫める。
「た、環さん、離してください!」
ジタバタと暴れながら、悲鳴のような声をあげてしまう。
その瞬間、私の顎が骨ばった指で上向きに掬われる。額に触れるサラサラの黒髪。伏し目がちの夜色の瞳が真っ直ぐに私を捕らえて、唇が塞がれた。
「うう……っ!」
言いたかった言葉は全て環さんの口腔内に吸い込まれてしまう。驚きに目を限界まで見開いた私の瞳に映る彼の長い睫毛。
心臓の音がうるさくて嫌になる。
どうして私を抱きしめて眠っているの? どうしてこんなことをするの?
荒々しく押さえつけられるようなキスが角度を変える度に優しくなっていく。まるで私を宥めるように、落ち着かせるように長いキスを彼は繰り返す。
思考回路が鈍り、力の抜けてしまった私を受けとめて抱きしめなおした彼はやっと私から唇を離す。
突然のキスの理由さえもわからない。だけどもうそのことを尋ねる気持ちにはなれなかった。
耳に彼の形の良い唇が微かに触れる。
ピクッと肩が跳ねる。
「夫婦なんだから一緒に眠るのは当然だろ? これからも眠るときはここで眠ること」
甘い命令を紡ぐ彼。私は真っ赤に火照る顔を彼のシャツに埋めるしかできない。