愛って何よ？

私の質問に、じっとこちらを見たまま片方の口角だけを上げて笑う野村くん。

ニヒルな笑みなのに、視線が熱くて綺麗なそれは妖艶にさえ見えてまた私の心拍を上げにかかる。

「確かに過去の恋人には男性も数人いましたけど。
永田係長もそうだし。
でも初恋の相手は異性でしたし、女性と付き合ったこともありますよ。
俺、バイですから」

それを聞いても私は動けず、何を言って良いか分からなかった。

「彼氏、いるんでしたっけ？
まぁ、どっちでも良いんですけど。
俺、あなたを絶対振り向かせるから」

ザワザワとする胸の内を、まるで手に取るように口説き文句を続けられてますます居心地は悪くなる。