愛って何よ?
カチカチカチカチ…

「…今から言うことは、誰にも言わないって約束して下さい」

秒針の音を遮ったのは野村くんの声だった。

いつもより数段低いその声色に、真剣さが滲んでいて真っ直ぐ野村くんを見て頷く。

「俺と永田係長、半年前まで付き合ってました」

そのタイミングで、シルバーフレームの眼鏡を指の腹で押し上げる永田係長は姿勢を少しだけ正した。

内容が内容だけに緊張しているんだろう。

「…それでなんですね」

私が答えると、二人は私に視線を向けた。

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