愛の囁き☆私は強くない番外編☆
一目惚れって、あるんだ。

途中、席替え!とか言って碧達にトイレに連れて行かれた。

「ね、誰にする?」
「私は、斎藤さんがいいかなぁ」
「碧は?私は高梨さんかな」
「私?橋本さんがいいかも。香里はいい人いた?」

「え?あ、あの…」

奥菜さん、と言っていいのかな…
皆んな、名前出してないし、どうしよう。

「お、奥菜さん」

「よかったじゃん!じゃ、席替えするから戻るよ!」

手を引っ張られて、皆んなの所に戻った。

トイレでの話の後、碧は言っていたように席替えを始めた。
香里の隣には、拓真が座った。

もう、碧!
いきなり隣に座られても、話なんて…

「香里ちゃんは歳いくつ?」

「え?あ、22です」

「若っいね。俺なんてオジさんだな、ははっ」

「え?奥菜さん、おいくつなんですか?」

「拓真でいいよ。俺は31結構、オジさんだろ?」

ニコっと笑う顔から目が離せなくなっていた。
もっとこの人の事を知りたい。

「全然、そんな事ないです!」

私は首をこれでもか!ってぐらいに振っていた。

「あ、そんなに首振ったら、悪酔いするよ」

そう言いながら、拓真は香里の頬を両手で挟んでいた。
香里の視線が拓真とぶつかった。

恥ずかしい。
このドキドキはなんなんだろう。

「ごめんっ、いきなり触って。嫌だったよね」

「い、いえっ。大丈夫です!」

男の人にこんな風に触れられたの、初めて。
嫌じゃないし、嬉しかった。

けど、恥ずかしい…

そんなやり取りを見ていた、碧がトイレに行こうと、香里を呼んだ。


香里と碧はトイレで話をしていた。

「ね、香里。奥菜さんどう?」

「うん。気になってる…」

「そうなの?来た甲斐があったじゃん!もう時間だから、これでコンパは終わりなんだけど、香里これからどうする?私は橋本さんと飲みに行こうか、なんて話してるんだけど」

「2人で行くの?」

「そのつもり。だって、相手は大手のAGで働いてるんだよ!行かなきゃ!」

香里は首を横に振った。

「私にはハードル高いよ!無理!」

「そう?じゃ、連絡先だけでも、ゲットしときなさいよ!」

「えー」

作戦会議をしてから、2人は元いたテーブルに戻り解散となった。

碧は宣言通り、橋本と飲みに行くと言って、香里に頑張れ!と合図して行ってしまっていた。香里は、帰ります。と一人駅に向かおうと歩き始めた。

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