愛の囁き☆私は強くない番外編☆
拓真さんから、慶都さんという彼女の話を聞いてから、ずっと私は悩んでいた。そんな私を見かねて、翠が声をかけてきた。

「香里、別れる気はないの?」

「…っ、翠。まだ分かんないの…この気持ちがどうしたいのか…」

「そう。だけど、どっちにしたって、このままじゃダメでしょう?奥菜さんに決める気持ちがないなら、香里が答え出さないと。その彼女って人にもわるいよ?」

「……だって、彼女には気持ちがないって…」

「それが、嘘かもしれないでしょ!ただの浮気だったらどうするの!今は好きが勝ってるから気持ちだけできてるけど、冷静になる事も大事じゃない?」

「…だって…っ、うっ…、ごめん」

「ちょっと…香里」

私は気持ちが悪くなって、トイレに駆け込んだ。
吐きそう…

「うっ…はぁっ…」

私の後を追ってきた翠が、心配そうに私の背中をさすってくれていた。

「大丈夫?」

「……う、うん。最近、あまり体調よくないんだ…、吐き気が多くて…うっ…」

ここ数日、体調が悪かった。
吐き気が多くなって、トイレに駆け込む事が増えてきていた。
あの事があってから増えていたから、多分精神的な事だろう、と思っていた。
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