愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「そこまで考えてなくて…避妊もしなかったって、無責任過ぎませんか!」

翠が拓真さんつかみかかった。

「や、やめて、翠」

「離して!香里。傷つくのは女なんだよ!分かってるでしょ!」

傷、心の傷だけじゃなく、体も傷つく…

「結婚考えてないなら、今回の事どうするつもりですか!」

「…いや、急すぎて…どうしたら…」

拓真さんは困っていた。
どうしたらいいのか、返事に困っていた。
堕ろせとも、産めとも…言わない。

「無責任ですよ。避妊しなかった香里も悪いけど、奥菜さん、あなたも一緒ですよ。答え出して下さいね。香里も今日は混乱してるんで、明日また時間作って下さい。その時、どうするのか話聞かせてもらいますから」

そう言うと、翠は握っていた拓真さんの胸元から手を離した。

自由になった拓真さんは、私に大丈夫?と声をかけながらも鞄も持って逃げるように帰って行った。

「見た?香里、あれが現実よ。言葉じゃなんとでも言うでしょ。あんな合コンに連れて行った私が悪いのよね…ごめんなさい」

泣きながら、私に謝る翠を見て私も泣いた。二人泣きながら抱きあった。

誰が悪いんじゃない…誰が。
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