一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
手には槍が握られていて、ルーカスは「やはりいたか! しかも黒騎士隊がお出ましとは!」と馬の向きを伏兵へと変える。
「く、黒騎士隊?」
伏兵の登場に動揺しつつもメアリが疑問を声にすると、ユリウスも手綱を操り向きを反転させながら答える。
「ヴラフォス帝国の宰相、モデストの私設騎士たちのことです」
そして、メアリを守り迎撃すべく第三部隊が横隊を組んだところで、まずは第二部隊が斬り込んだ。
ルーカスは向かってきた黒騎士の槍を双剣で受け薙ぎ払い、思い切り相手の脇腹を切りつける。
続いてウィルも別の者の一撃を体を倒して避け、一閃。
大柄の黒騎士が呻き声と共に馬から落ちた。
本来、長さのある槍が有利である為、剣での応戦は厳しい。
けれど、王の剣であり盾である精鋭部隊の近衛騎士たちは、それぞれの身体能力を活かし、黒騎士隊と渡り合っている。
しかし、二十名ほどの第二部隊のみでは手に余り、黒騎士たちは徐々にメアリへと迫る。
セオの放った矢が黒騎士隊を撹乱させ、ユリウスが斬り伏せてゆく中、メアリはその者に気づいた。
黒騎士隊の中でも一際目立つ長い角のような兜を被った騎士が、近衛騎士らの攻撃を避け、しかし反撃はすることなく馬でメアリ目掛けて駆けて来ることに。