甘く抱いて、そしてキスして…【完】
だいぶ冷えてきたなあ。
ちょっぴり寒い。

街並みもハロウィンも終わりすっかりクリスマスモード。
少しずつ綺麗に可愛らしくたくさんのお店が変貌してきている。
カサカサと木々達も冬の準備を始めている。


クリスマスかぁー
クリスマスは一緒に過ごせるのかな?
一緒にいたい、いたいよ。


穂乃香さん、私、お見舞いに行っても大丈夫かな?
ちょっと心配。
だからこそ、話したい。
いろんな話をしたい。




そんなことを考えていると、あっという間に塾についた。


「ただいま、お疲れ様です」

「ん?美園先生?」
呆然と立ちつくす立石先生。

あ、私、美容院で、イメチェンしてきたんだった。すっかり忘れてた、愚かな私。

「先生、先生、可愛い」飛びつく小学生の生徒達。

「あ、ありがとう」
自然と笑みがこぼれる。

「美園先生、黒髪似合いますよ。素敵です」
立石先生は、やや恥ずかしそうに言ってきた。

「美園先生、綺麗ー」
伊原先生も、奥から颯爽と出てきた。

「うふふーありがとう」
みんなの反応に大満足の私。



良かったー
さっぱりしたー
早く翔太郎に会いたい。
可愛くなったね、綺麗になったねって言って欲しい。


美容院はとんでもない情報源だったけどね。


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