とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。

 臭いものには蓋と言わんばかりの態度だった喬一さんは、同年代の親戚たちと少しずつ交流を再び始めたようだ。こっちの毒気を抜いてくれるような、穏やかな左京さんとはなんやかんや言って一番交流がある。

 お互い、家を継がなかった共通点もあるからか、ぐんっと親密になったような気がする。
 クールだと勘違いされている喬一さんに物怖じせずに話してくれる人は少ないから、私はもっと仲良くなってくれたらいいのにと願っている。

「しかも和菓子まで持って来てくれて、本当に嬉しいですね」
「そうだね。食べるならお茶入れようか?」
「一個だけ。でも、自分で淹れますよ」
「いいから、やっと落ち着けるんだから座って」

 クリスマスツリーの装飾品を床に置くと、すぐにお茶を用意してくれる。

 左京さんがくれた和菓子。本当に顔を見て、出産祝いと「授乳中は和菓子の方がいいって聞いたから」とお花の形の最中をもってきてくれた。
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