とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。

「可愛い紗矢が悪いから、諦めて」
「だ――だめ。お布団が汚れる!」
「脱いじゃうから大丈夫だって。ほらほら、あんな可愛いことばっか言ってたら、キスで塞ぐよ」

短く触れた唇に、私の心臓が一瞬止まった気がする。
いや、絶対に止まった。止まっていた。
普段優しい彼が、早急に私の服を脱がそうとしている姿は、ギャップがあって私の背中もじわりと期待で甘く疼く。
見下ろされる彼の目が鋭利な刃物のように鋭いのに、私の胸に甘く降り注ぐ。
彼が私を見ている。それだけで力が抜けてしまう。

彼の指か絡まって、一緒にベットのシーツに沈んでいく。

貴方がこうして触れてくれなかったら、私はゲームの向こうのキャラの、決められた台詞にキャーキャー騒ぐだけで満足する人生だった。

貴方が私を最高に甘やかしてくれるから、私は朝も夜も仕事中も、貴方を思い出してしまう。
私を幸せにしてくれる貴方が、ちゃんと幸せなのか無理してるのか、心配になるんだ。

深いキスを合図に脱がされながら、私は悩んでいたことを口に出す。

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