とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。


 悔しいけど、あんなに心の癒しだったゲームのキャラとの交流が、ログインするためのノルマのように思えてしまう。

 ただ、喬一さんの仕事を待つ間に進めるのには楽しいから、完璧には止めていないけど、今は本当に純粋にシナリオを楽しんでいる。

「……可愛いお嫁さんから、ご飯の前に甘いデザートをもらった気分だ」
「あれ、喬一さんって甘いもの苦手でしたよね。控えた方がいい?」

 にやりと笑うと、素早く彼は私の額に口づけた。

「癖になりそうな甘さだ。もっと欲しいぐらい」
「うーん。君の瞳は、百万ドルの夜景を閉じ込めたようだ」
「既製品の甘さはいらないな」

 ぺしっと今度は額を軽くたたかれた。アメとムチだ。
 でも私は喬一さんみたいに気障な言葉がすらすら出ないから、言葉が全く浮かんでこない。

「素直に好きって言ってくれるだけでいいよ」
「シンプルイズベストですね。でもそれが一番恥ずかしい、かも」
「お、じゃあこれからはそれを強請ろうっと」

 恥ずかしいって言ったのに、喬一さんは偶に意地悪だ。
 嬉しそうな、無邪気な子どもみたいな部分がある。

 それでも私は、その倍以上彼から甘いデザートをもらっているので、反論なんてできないし拒否することもできない。
 私も毎晩、甘いデザートが欲しいからね。

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