*君に溺愛*
*ヤスside*

「ヤス、落ち着けよ」

「総長は、本当に何も感じないんですか?

あの医師、怪しいです」


そう、最初現れた時から気になってた。

普通医者が、女の子お姫様抱っこして連れてくか?
下心丸出しな気がしてならない。

「そうか?
いい医者じゃないか?

鼻血もほらっ、治ったし」

ダメだ、総長に話しても………。

「葵さんは気にならないですか?」


冷静だけど、葵さんはルナちゃんの彼氏だ。


気になる筈だ。

「そりゃ、気になるが借りにも医者だぞ」

「借りにも、男です」


「…………すいません、心配なんです」


ルナちゃんが、心配。

君は可愛いから心配。

先生と言えど男には、変わらない。

「俺、飲み物買ってきます」

気になる。

処置室にいる君の様子だけ見たら、戻ろう。

安心出来るだろう………思ってた。


なのに………


「やっ、やめて先生‼」




ルナちゃんが、あの医師に襲われていた。

カーテンの隙間からうっすら見える医師の白衣が、ルナちゃんの細い綺麗な足に触れた。

いや、医師の手がスカートの中に触れていた。


堪らない怒り。


大切な君を……………傷つけるのは、悪い大人。


君が泣いてるのが、見なくても分かる。

俺は、堪らずドアを蹴破った。


*ヤスside終わり*


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