*君に溺愛*
「じゃあ、俺はこれでーーー失礼するよ。
またね、ルナちゃん‼」


わざとなのか、必ずルナの名前を呼ぶ奴。

憎い…………。

ニコニコ笑い手を振っているルナ。

「ルナ、ちょっと来てよ」

グイッ、と君を抱き寄せたら人のいない部室に入った。

ギターやらなんやらがある部室。
軽音部か?

「雅くん………?どうしたの?」

部室にご丁寧に鍵を閉め、君を壁に追い込んだ。


「なあ、何廉先輩とか呼んでるの?
ルナは、俺のだよね?
ルナちゃん、とか呼ばれてんなし」

なんだか、イラつく。
自然と口調がきつくなるのが、わかった。


「先輩は、優しいよ。
どうしたの、雅くんっ」


冷静にならない、といけないのにーーー。


「委員会の時、あいつと二人にはなるなよ。
あいつ、怪しいから」


怪しいと言うか、、嫌な予感しかしない。

「明日、土曜だし。
デートしない?」

冷静に冷静に………と考えたら出た言葉は、それ。


「うん、行く‼あ、じゃあ合同学校の服見たいな‼」


「ああ、いいよ‼」

今は何も考えたくない。
何も知らなくていいよ。

あいつとのことなんて、考えたくもない。


*雅side*

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