Jelly
「正直何割まできてるのか俺もわかんないんだよね。なんでああなったかなあ。どこから間違ってるのかすらわかんないってかんじ」

「設計以前の根本部分に問題があるってこと?」

「そうそう。クライアントの要求が安藤さんの考えてた幅を完全に超えちゃってるの。初めはコスト抑えたくて、システムをパッケージで収めようとしたんだけど、後からどんどん要件が追加変更になってさ。カスタマイズだらけでコーディングが複雑すぎるし、もうカオスだよ」

「クライアントは『システムの専門家なら、このくらいの機能は言うまでもなく付けるはずだ』って、裏で勝手に見積もるからな。ズレは出るだろ」

「それでもさ。安藤さん、前に百人以上の大規模プロジェクトとかも仕切ってたって聞いてたから、余裕かと思ってたのに」

 俺の意見はゼロでさっさと食事のオーダーを済ませて、神長はテーブルに肘をつく。
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